NFTのセキュリティリスクとは?具体的対策法とおすすめツールを紹介

「NFTのセキュリティリスクとは何か?」「どうすれば詐欺やハッキングから自分の資産を守れる?」などと悩んでいませんか?

NFTを安全に取引するためには、セキュリティ対策と正しい知識が必要です。NFTを扱ううえで、信頼できる取引プラットフォームの選び方やセキュリティツールの使用方法はしっかりと理解しておきましょう。

本記事では、NFTの取引におけるセキュリティリスクや対策方法について解説します。おすすめのセキュリティツールもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

目次

NFT取引における主なセキュリティリスク

NFTはブロックチェーンを活用した画期的な技術ですが、取引自体は世界中で行われているため、さまざまなリスクが伴います。具体的なリスクをまとめると以下の通りです。

  • フィッシング詐欺
  • ハッキングによる不正アクセス
  • NFTに紐付けられたコンテンツの改ざん・消失
  • スマートコントラクトの脆弱性
  • 盗作や偽物の売買

それぞれ詳しく解説します。

フィッシング詐欺

フィッシング詐欺は、NFT取引において大きなリスクとなっています。悪意のある者が信頼できるウェブサイトやメールを偽装し、ユーザーの秘密の復元フレーズやプライベートキーを盗む行為です。

一度情報が漏れると、NFTや暗号資産が盗まれる可能性があります。不審なメールやメッセージから個人情報を共有してしまった結果、悪用されるといった事例も多いです。

ハッキングによる不正アクセス

NFTマーケットプレイスやNFTを保管するウォレットが、ハッカーに不正アクセスされるリスクもあります。ハッカーに侵入されると、ユーザーのNFTや暗号資産を盗まれる可能性が高いです。

ハッカーはインターネットを経由し、ルーターや無線LANから侵入してきます。セキュリティ対策を施していたとしても、わずかな隙間を見つけてパソコンやサーバーに侵入してくるため注意が必要です。

NFTに紐付けられたコンテンツの改ざん・消失

NFTはアートや動画といったデジタルデータが紐付けられていますが、コンテンツが改ざん、または消失するリスクがあります。コンテンツが改ざんされた場合、NFTの価値が下がる可能性が高いです。

コンテンツが完全に消失してしまうと、NFTの価値がゼロになってしまう恐れがあります。改ざんを防ぐために、コンテンツの保管場所の安全性を確保することが重要です。

スマートコントラクトの脆弱性

NFTの発行や取引は、スマートコントラクトによって実行されます。スマートコントラクトとは、契約・取引時に特定の条件が満たされた場合に、決められた処理が自動的にブロックチェーン上で実行される仕組みです。

スマートコントラクトにバグや脆弱性があると、NFTが不正に発行されたり、取引が妨げられたりする可能性があります。悪意のある者がスマートコントラクトの脆弱性を突いて、NFTを盗んだり不正な取引を行ったりすることも多いです。

そのため、スマートコントラクトの更新やアップグレードは慎重に行う必要があります。

盗作や偽物の売買

NFTの世界では、盗作や偽物が売買されるリスクもあります。本物のアーティストの作品を無断でNFT化したり、偽物のNFTを本物と偽って販売したりする行為が後を絶ちません。

盗作や偽物の売買はアーティストの権利を侵害するだけでなく、購入者を欺くことにもなります。作品の権利関係を確認し、信頼できるマーケットプレイスで取引することが重要です。

NFTのセキュリティ対策

NFTの売買を行う上で、セキュリティ対策は不可欠です。対策を講じることで安心してNFTの取引を行えます。

以下に具体的なセキュリティ対策をまとめました。

  • 信頼できるプラットフォームを選択する
  • ハードウェアウォレットを使用する
  • 二段階認証を有効にする
  • NFTを複数ウォレットに分散する
  • NFT購入前の真贋をチェックする
  • 強力なパスワードを設定する
  • シードフレーズや秘密鍵は教えない

それぞれ詳しく解説します。

信頼できるプラットフォームを選択する

NFTを取引する際は、信頼できる大手のマーケットプレイスを選ぶことが重要です。OpenSeaやRaribleなどの評判の良いNFTマーケットプレイスを利用すれば、セキュリティ対策が十分に行われていることを確認できます。

信頼のあるプラットフォームでは、不正アクセスやハッキングのリスクを最小限に抑えるための様々な措置が講じられています。セキュリティ監査の実施や暗号化技術の導入、不審な活動の監視などが良い例です。

そのため、信頼できるプラットフォームを選ぶことで、NFT取引におけるセキュリティリスクを大幅に軽減できるでしょう。

ハードウェアウォレットを使用する

NFTやその他の暗号資産を保管する際は、ハードウェアウォレットの使用を強くおすすめします。ハードウェアウォレットは、秘密鍵をオフラインで保管するための専用のデバイスです。

LedgerやTrezorなど、信頼できるメーカーのハードウェアウォレットを使用することで、ハッキングリスクを大幅に削減できます。オンラインウォレットやモバイルウォレットに比べて、NFTやその他の暗号資産をより安全に保管できるため安心です。

二段階認証を有効にする

NFTマーケットプレイスやウォレットを使用する際は、二段階認証を有効にすることが重要です。二段階認証はパスワードに加えて、SMSやメールなどの別の認証方法を組み合わせることで、アカウントのセキュリティを強化する仕組みです。

多くのNFTマーケットプレイスやウォレットでは二段階認証をサポートしており、パスワードが漏洩したとしても、不正アクセスを防げます。例として、Google AuthenticatorやAuthy、SMSによる認証コードの送信などの方法が利用可能です。

自分のアカウントに最適な二段階認証方法を選択し、設定しましょう。

NFTを複数ウォレットに分散する

NFTを1つのウォレットに集中させるのではなく、複数のウォレットに分散して保管することは、リスク管理の観点から非常に重要です。万が一、1つのウォレットがハッキングされたり秘密鍵が漏洩したりしても、全てのNFTを失うリスクを最小限に抑えられます。

特に、高価値のNFTや大量のNFTを保有している場合は、複数のウォレットに分散して保管しましょう。コールドウォレットとホットウォレットを組み合わせたり、異なるブロックチェーンのウォレットを使い分けたりすれば、リスクを分散できます。

各ウォレットに異なるセキュリティ設定を適用すれば、より柔軟にリスク管理を行うことも可能です。

NFT購入前の真贋をチェックする

NFTを購入する前に、作品の真贋を入念にチェックすることは非常に重要です。NFT市場には、残念ながら偽物や盗作品も存在します。

偽物を見分けるためには、作品の権利者や発行元を確認し、信頼できるマーケットプレイスで取引することが不可欠です。また、ブロックチェーン上の情報を活用することで、NFTの所有権の履歴や過去の取引記録を追跡できます。

一部のマーケットプレイスでは、検証済みのクリエイターやコレクションにマークを付け、信頼性の高い作品を見つけやすくしています。購入前に情報を十分に確認し、信頼できる作品かどうかを見極めることが重要です。

強力なパスワードを設定する

NFTマーケットプレイスやウォレットのアカウントを保護するためには、強力なパスワードを設定することが欠かせません。簡単なパスワードでは、ハッカーからの攻撃によって簡単に破られてしまう可能性があります。

強力なパスワードを作成するためには、12文字以上の長さで大文字・小文字・数字・特殊文字を組み合わせましょう。また、他のサービスで使用しているパスワードを流用せず、アカウントごとに異なるパスワードを設定することも重要です。

パスワードを定期的に変更することで、更なるセキュリティ向上が期待できます。

シードフレーズや秘密鍵は教えない

NFTや暗号資産を保護する上で、シードフレーズと秘密鍵の管理は極めて重要です。シードフレーズは、通常12〜24個の単語で構成され、ウォレットを復元するために必要な情報です。

秘密鍵はウォレットにアクセスし、取引を承認するために使用される重要なデータです。情報を他人に教えたりオンライン上で共有したりすれば、資産を失うリスクを大幅に高めてしまいます。

シードフレーズと秘密鍵は、紙に書き留めて金庫に保管したり、暗号化されたUSBドライブに保存しましょう。また、ハードウェアウォレットを使用することで、NFTや暗号資産を安全に管理できます。

NFTを守るおすすめセキュリティツール

NFTを守るためにも、セキュリティツールの導入を検討しましょう。おすすめのセキュリティツールをまとめると以下の通りです。

  • Ledger Hardware Wallet
  • KEKKAI
  • Pocket Universe
  • eagis
  • Web3 Guard(Opera Crypto Browser)

それぞれ詳しく解説します。

Ledger Hardware Wallet

Ledger Hardware Walletは、NFTや暗号資産を安全に保管するためのハードウェアウォレットです。オフラインで鍵を保管するため、ハッキングされる可能性が低くなります。

物理的な盗難のリスクはありますが、PINコードによる保護機能があり、セキュリティ面で優れています。LedgerにはNano SとNano Xの2種類のモデルがあり、Nano Xの方が大容量で取り扱えるアプリの種類が多いです。

安全性が高いため、NFTの保管にはハードウェアウォレットの利用が推奨されます。

KEKKAI

KEKKAIは、株式会社ユニスマが開発したセキュリティツールです。取引シミュレーション機能で取引結果を事前にチェックでき、不正なスマートコントラクトを検知できます。

信頼できるマーケットプレイスでポップアップ表示を省略できるHyperdriveなど、利便性の高い機能も備えている点が特徴的です。KEKKAIは有料ツールですが、月額制の低価格プランもあり、NFTを取引する上で重要なセキュリティ対策ツールとなっています。

Pocket Universe

Pocket Universeは、woorth社が開発したセキュリティツールです。日本でも有名なNFTコレクション「VeryLongAnimals」の作成者との会話がきっかけとなり、開発されました。

NFTのコントラクトアドレスやサイトのURLアドレスを確認し、チェック結果をポップアップで知らせてくれます。無料で利用できるため、初心者でもNFTの取引時に安全性を確保することが可能です。

eagis

eagisはNFTやサイトの真贋チェックを行ってくれる、woorth社が開発した無料のセキュリティツールです。NFTのコントラクトアドレスやサイトのURLアドレスを確認し、チェック結果をポップアップで知らせてくれます。

NFTの購入前に利用することで偽物かどうかを判断してくれるため、詐欺の被害を防げます。

Web3 Guard(Opera Crypto Browser)

Web3 Guardは、Opera crypto browserのデスクトップ版に搭載されている機能です。WebサイトやDappsにアクセスする際にサイトの安全性をチェックします。

ツールを使うことで、ウォレットの資産を抜き取ろうとする悪意あるアプリやサイトの攻撃を防げます。Web3 Guardは無料で利用でき、Operaブラウザを使えば自動的に有効になるため、手間なくセキュリティ対策ができる点が魅力です。

NFTの売買にはセキュリティツールを使おう

NFTの売買には、セキュリティツールを使用することが不可欠です。ツールを活用することで、NFTや暗号資産を安全に保管し、不正アクセスやハッキングのリスクを大幅に低減できます。

ハードウェアウォレットを利用すれば、オフラインで鍵を保管できるため、ハッキングされる心配がほとんどありません。ただし、NFTを販売する際にはウォレットの管理が難しくなるため、細心の注意を払う必要があります。

具体的なセキュリティ対策を施したい場合、ぜひご相談ください。

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