2024年最新！Web3で実現する地方創生の成功事例10選
地方創生の新たな手法として注目を集めるWeb3技術。2024年、日本各地でWeb3を活用した地方創生の取り組みが進展しています。本記事では、最新の成功事例10選をご紹介します。
北海道余市町：ワインNFTによるふるさと納税の革新
北海道余市町は、2024年4月より希少なワインの購入権利をNFTとして発行し、ふるさと納税の返礼品として提供しています。CNPのキャラクターがワインを持つアートNFTと、ブロックチェーンゲーム「マイクリプトヒーローズ」で使用できるアイテムNFTを組み合わせた独自の取り組みです。
寄付額は3万円から20万円までの幅があり、NFTの希少性と実用性を組み合わせることで、若年層を中心に大きな反響を呼んでいます。この取り組みにより、余市町への関心が高まり、実際のワイナリー訪問者数も増加傾向にあります。
山形県西川町：デジタル住民票NFTによる関係人口の拡大
山形県西川町は、2023年10月から「デジタル住民票NFT」を発行し、関係人口の拡大に成功しています。このNFTは、西川町の公式キャラクターをデザインしたもので、保有者は町のオンラインコミュニティに参加できる権利を得られます。
2024年3月には第二弾として「山菜トレカNFT」を販売。デジタル住民によるDAO投票でレア度が決定されるなど、コミュニティ参加型の運営が特徴です。NFTのコンプリート者には町長から感謝状が贈呈されるなど、オンラインとオフラインを融合させた取り組みが評価されています。
広島県安芸高田市：デジタル住民票NFTによる観光促進
広島県安芸高田市は、2024年4月からデジタル住民票NFTの販売を開始しました。NFTマーケットプレイス「HEXA」で1個1,000円、計3,000個を販売。INO（Initial NFT Offering）方式を採用し、抽選販売としています。
このNFTの保有者は、安芸高田市の神楽公演チケットの割引特典が受けられるほか、市のオンラインコミュニティに参加できます。観光促進と関係人口の増加を同時に狙う先進的な取り組みとして注目を集めています。
岩手県紫波町：Web3タウン構想によるまちづくり
岩手県紫波町は、2024年より「Web3タウン構想」を本格的に始動させました。この構想では、町全体をWeb3技術で包括的に管理・運営することを目指しています。
具体的には、町民向けのデジタルIDの発行、地域通貨のトークン化、公共サービスのDAO化などを段階的に実施。特に、町の意思決定プロセスにDAOを導入する試みは、日本の地方自治体では初の取り組みとして注目を集めています。
静岡県焼津市：メタバースを活用した観光振興
静岡県焼津市は、2024年7月より株式会社HIKKYと包括連携協定を締結し、メタバースを活用した地域活性化に取り組んでいます。「バーチャルマーケット」というVRイベント内に焼津市の観光スポットや特産品を再現し、世界中からの来訪者に焼津市の魅力を発信しています。
特に人気なのが、世界初となるバーチャル上での「マグロ解体ショー体験」です。リアルな体験と組み合わせることで、実際の観光客増加にも繋がっています。これまでの取り組みで、累計70万人以上が焼津市のバーチャルブースを訪れました。
和歌山県：メタバース和歌山プロジェクト
和歌山県は、2024年3月より「メタバース和歌山」プロジェクトを開始しました。人気ゲーム「Fortnite」内に和歌山城や和歌山駅前、市内の繁華街「アロチ」などを再現し、バーチャル観光を可能にしています。
このプロジェクトでは、メタバース空間内でのe-スポーツ大会も開催。ゲームとメタバースを組み合わせることで、若年層の関心を集め、新たな関係人口の創出に成功しています。
山口県：日本酒×ブロックチェーンプロジェクト
山口県の老舗酒造「堀江酒場」は、2024年よりSBIトレーサビリティ株式会社と連携し、ブロックチェーンとIoTを融合したサービス「SHIMENAWA」を導入しました。
高級日本酒「夢雀(MUJAKU)」の生産・流通過程をブロックチェーンで記録・管理することで、透明性と信頼性を高めています。また、NFTと連動させることで、日本酒の所有権をデジタル化。これにより、日本酒を投資対象として扱うことが可能になり、新たな市場の創出に成功しています。
熊本県天草市：メタバースによる文化遺産の保存と活用
熊本県天草市は、2024年より京都大学経営管理大学院・株式会社パスコと共同で、メタバースを活用した文化遺産の保存と活用に関する実証プロジェクトを開始しました。
このプロジェクトでは、天草の有形文化遺産をデジタル再現するとともに、牛深ハイヤ踊りなどの無形文化遺産もデジタル化。メタバース空間内で文化体験を提供することで、世界中から天草の文化に触れる機会を創出しています。また、文化財の3Dデータを活用した修復・保存技術の開発も進めており、文化財保護の新たな可能性を示しています。
愛媛県：みきゃんNFTによる地域ブランディング
愛媛県は、2024年4月より県公式マスコットキャラクター「みきゃん」のNFTプロジェクトを本格始動しました。このプロジェクトでは、県内外のクリエイターや高校生が作成したみきゃんのデジタルアートをNFT化し、無料で配布しています。
NFTの取得者に対して定期的なアンケートを実施することで、愛媛県への関心度や訪問意欲の変化を追跡。関係人口の拡大と地域ブランディングの効果を科学的に検証しています。また、二次流通も許可することで、NFTマーケットでの話題化にも成功しています。
宮城県仙台市：Web3規制改革特区の実現
宮城県仙台市は、2024年より国家戦略特区「Web3規制改革特区」として認定され、先進的なWeb3プロジェクトを次々と展開しています。
特区認定により、暗号資産やNFTに関する規制が一部緩和され、より自由度の高いWeb3サービスの提供が可能になりました。例えば、市内の商店街全体でNFT会員証を発行し、保有者に特別な特典を提供するプロジェクトや、市の公共サービスをDAO化する取り組みなどが進行中です。
これらの取り組みにより、仙台市はWeb3スタートアップの集積地としても注目を集めており、新たな産業創出と雇用拡大にも貢献しています。
まとめ
以上、2024年最新のWeb3による地方創生の成功事例10選をご紹介しました。NFT、メタバース、DAO、ブロックチェーンなど、様々なWeb3技術を活用することで、観光振興、関係人口の拡大、文化保護、産業創出など、多様な側面から地方創生にアプローチできることが分かります。
一方で、これらの取り組みはまだ始まったばかりであり、長期的な効果の検証や法規制との調整など、課題も残されています。しかし、Web3技術が地方創生の新たな可能性を切り開いていることは間違いありません。今後も各地の取り組みに注目していく必要があるでしょう。
